夜勤専従看護師の働き方と転職事情
夜勤専従看護師の働き方や転職事情についてまとめました。
夜勤専従看護師とは「夜勤のみの勤務をする看護師」のことを言います。
夜勤専従看護師と聞くと、多くの人が「体調を崩しそう」とか、「家族・友人と生活リズムが合わないんじゃないか?」というイメージを持っているかもしれません。
しかし、そういったネガティブなイメージだけでは語れないのが、夜勤専従看護師です。
実際の夜勤専従看護師の働き方と転職事情を知ることで、夜勤専従看護師として働くメリット、デメリット、そして求人状況から転職事情について新たな認識が生まれるでしょう。
夜勤専従看護師の働き方とは?
看護師の勤務形態・勤務時間には、色々な種類があります。
日勤のみや日勤と夜勤が交代になるに交代、三交代の働き方の他に、夜勤専従もあるのです。
夜勤専従は、日勤はありません。
全てが夜勤になる働き方です。
夜勤専従の場合は、勤務時間に特徴があります。
日勤と比べて、やや体力的な負担も大きいので、あまり長時間働くのは望ましくないという考え方があるのです。
このため夜勤専従看護師は、原則として月間144時間以上働く事はありません。
それ以上の労働時間になると、やはり体力的な負担が大きくなるからです。
ですから交代制の働き方と比べると、かえって労働時間が短いこともあります。
もちろん職場で働く前に、看護師に対して労働時間は通知されます。
それと健康診断にも特徴があるのです。
どこかの医療機関、医療施設に入る際には、健康診断書の提出を求められる事もあります。
業務遂行の為に健康状態が求められる以上は、診断書も必要なのです。
ただし全ての職場で、その診断書が求められる訳でもありません。
それで夜勤専従の看護師ですと、大抵は慎重な健康検査を受ける事になるのです。
上述の通り、その仕事は体力的な負担もありますから、業務に耐えられる健康状態かどうかを確認される訳です。
ちなみに日勤のみの病院の場合は、わざわざ健康検査が実施されない事もあります。
しかし夜勤専従ですと、多くの場合、検査があるのです。
このような点を踏まえますと、夜勤専従の看護業務は、体力的な負担がやや大きい事も分かります。
その代わり収入もやや高めな働き方です。
夜勤専従看護師として働くメリット・デメリットとは?
夜勤専従看護師として勤務するメリットとデメリットを知ることで、自分自身に合っているかどうかが分かります。
夜勤専従看護師のメリット
②高収入であることが多い
③短期、期間限定で働きやすい
④人間関係に気を使わなくて済む
看護師の仕事として、夜勤専従で働いている人は少なからず存在しています。
夜勤専従は、病院で夜間のみ働いていく仕事になっています。
実際に日勤や交代勤務と比べて、勤務体制が変わっている部分が多いですが、働き始めることで感じられるメリットも大きいです。
①実働日数(勤務日数)が少ない
夜勤専従は勤務日数が少なく残業もないため、短い時間で効率的に働きたいという方に最適です。
2012年までは144時間ルールが存在し、夜勤専従看護師として働ける上限時間は決まっていました。
そのルールはなくなったもの現在でもそのルールを守っている病院、施設は多いです。
(日本看護協会も夜勤専従者の健康管理を考え、144時間までの勤務を推奨しています。)
その場合の一般的な夜勤専従看護師の勤務日数は以下の通りです。
16:00~翌9:00などの勤務で、勤務時間は16時間程度。
勤務日数は、月に9回程。
●3交代制の病院の場合
準夜勤は17:00~25:00、深夜勤は00:00~9:00などで、勤務時間は8時間程度。
勤務日数は、月に18回程。
2交代制の病院の場合は1日あたりの勤務時間が長くなり、勤務日数が減ります。
勤務日数を減らしたい場合は、二交代制の病院、施設を選ぶとよいでしょう。
看護師というと、仕事が忙しく休みを取ることができないイメージが存在しており、実際に日勤や交代勤務で働いていると、仕事の幅も広く休むことが難しくなっています。
その点、夜勤専従で働いた場合、看護業務に集中することができるうえ休みを取りやすい現状があるため、自分の時間を取ることができます。
十分な時間があるので、昼間は自分の趣味を行ったり出かけることもできるでしょう。
②高収入であることが多い
正看護師 夜勤専従(常勤): 月給35万~41万
夜勤専従看護師のほうが4万~7万円ほど月給が高いことがわかります。
夜勤専従の場合、もらえる給料も高い傾向にあります。
もちろん経験年数が長く、勤務日数が多いほうが、給料が高い傾向です。
他の仕事でもいえることですが、夜勤は日勤に比べてもらえる給与が高くなっています。
夜勤の回数に応じて夜勤手当が支給されるため、勤務する時間は少なくても、十分な給与をもらうことができるので金銭的に困ることがありません。
③短期、期間限定で働きやすい
非常勤の求人(短期、期間限定)も多くあるため、短期で効率よく勤務するには良いでしょう。
非常勤で働く場合は、勤務先によっては週1日、月に1~2日などの柔軟な働き方が可能です。
そのため、転職するまでのつなぎの仕事として、海外旅行の資金を稼ぐために期間限定で働くこと人も多くいます。
もちろんほかの仕事との掛け持ちや、プライベートの時間をしっかり確保できるので、充実した日々を過ごすことができます。
④人間関係に気を使わなくて済む
夜勤専従の看護師は他にも人間関係に悩まされることが少ない点も大きいです。
夜は師長がいないため、上司に気を使いながら働く必要がありません。
気の知れた同僚と、リラックスしながら勤務することができるため、人間関係の悩みを感じにくいです。
以上のように様々なメリットのある夜勤専従看護師ですが、夜勤の時間帯の忙しさや給与は、勤務先によって大きな差があります。
したがって、夜勤専従看護師として働く場合は、勤務先についての情報収集を慎重に行わなければなりません。
夜勤専従看護師のデメリット
②出世できない可能性が高い
③正社員の求人が少ない
夜勤専従看護師にはメリットだけでなく、デメリットもあります。
デメリットを考慮したうえで、夜勤専従看護師として働くかどうか、転職するかどうかを考えるとよいでしょう。
①体調管理が難しい
夜勤専従看護師として2交代制の病院で働いた場合、1回の勤務時間は16時間以上と長時間になります。
そのため疲労がたまりやすくなります。
また交代制とは生活のリズムが異なるので、どうしても合う人と合わない人が出てきます。
夜勤専従看護師として働く場合には、自分の体力や生活リズムを考慮した上で選ぶようにしましょう。
②出世できない可能性が高い
夜勤専従看護師は、人間関係で悩むことが少なくなるというメリットと引き換えに、管理職になれる可能性が低くなります。
つまり院内の委員会への参加や患者の担当になることを免除されることで、病院の運営に参加する機会がなくなり、管理職候補になる可能性も低くなるということです。
もし、将来、管理職になりたい場合は、慎重に考えることをおすすめします。
③正社員の求人が少ない
非常勤の夜勤専従看護師求人は多いのですが、正社員で夜勤専従看護師を募集している医療機関は少ないです。
したがって、夜勤専従看護師として常勤を希望する場合は、大手の看護師転職サイトに登録することをおすすめします。
夜勤専従看護師の仕事内容
夜勤専従看護師だからと言って、特別な仕事内容はありません。
通常のシフト制の夜勤時の仕事と変わらないと言ってよいでしょう。
夜勤専従看護師の業務
申し送り、病棟の巡回、食事の配膳・介助、配薬、採血、バイタルチェック、医療機器の管理、体位交換、点滴の交換、オムツ交換、トイレ介助、早朝健診の用意、看護記録の記載や整理、ナースコール対応
ただし、夜勤だけの仕事のため、患者さんは寝ていることが多いため、コミュニケーション不足もなりがちです。
日勤の看護師からの申し送りをしっかりと行いましょう。
また夜勤専従看護師は少人数での勤務となるため、看護技術を持っていることが求められます。
- 採血やルートキープ、吸引等の基本的な看護技術
- 患者さんの疾患と記録の理解、注意判断基準
- 患者さんの状態悪化時や急変時の判断・対応能力
したがって、最低でも2~3年の勤務経験(常勤看護師)は必要でしょう。
夜勤専従看護師に多い医療機関でのおすすめは?
②療養型病院
③介護施設
一般病棟は、交代制の夜勤と仕事は大きく変わりません。
療養病院は、比較的病状が安定している人が多いため、夜間の急変や緊急対応などの頻度が低く、仕事が忙しすぎない傾向があり、おすすめです。
介護施設は認知症の人が多いと夜間の対応が大変なケースが多い傾向があります。
あくまでも以上の傾向があるというだけなので、実際は施設や看護師の人数で、忙しさは変わってきます。
夜勤専従看護師の求人探しのポイントは?
②夜勤の回数
③休憩時間
④夜勤の体制
①夜勤手当の金額
夜勤1回あたりの金額はしっかしと把握しておきましょう。
医療機関によっては、通常の夜勤手当以外に「夜勤専従手当」が出るところもあります。
②夜勤の回数
上述のように勤務先が2交代か3交代で働く日数が違います。
勤務日数を減らしたい場合は、2交代で働くことをお勧めします。
③休憩時間
仮眠時間がどの程度取れるのかは確認しましょう。
労働基準法34条1項により、「労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与えなければいけない」と定められています。
ただし、16時間でも1時間以上休憩が取れていれば違反になりません。
また忙しい病院では、実際には休憩時間も働いている可能性もありますので、面接時に確認をしておいた方がよいでしょう。
④夜勤の体制
看護師が何人いるのか、夜勤の体制を確認しておきましょう。
施設によっては夜勤の看護師が自分ひとりしかいないという場合もあります。
マニュアル、指導してくれる人がいるかどうかの確認は必要です。
また非常勤で働く場合は、掛け持ちで働いて問題はないか、就業規則の確認もしておきましょう。
夜勤専従看護師として有料老人ホームに勤務(インタビュー)
東京都内の有料老人ホームで夜勤専従看護師として、週1~2回働いています。
夜勤専従の常勤看護師として勤めています。
年収は400万程度で、週に1~2のみ働いています。
夜勤がない日は、別の看護師の単発バイトをしたり、休日を楽しんだりしています。
2回目は、一時期看護職から離れていましたが、復帰したいと感じ転職をしました。3回目は、スキルアップの為に転職をしました。
必要な基本は残しつつ、その方に合わせて臨機応変に対応を変えられる看護師でありたいと思っています。
もし、経験した分野(病院→病院)等であれば、転職前の経験を活かしてどのように新しい職場で活躍できるのかを自己PRされたら良いと思います。
未経験の分野に行かれるのでしたら(病院→介護施設)、未経験であるが前職で培われた経験でどう活躍していけるのか、活躍出来るのかを自己PRされたら良いと思います。
どちらも、「そこに就業する事で、その場でどう役立つのか」を目的に主張されると、採用される律が高かったと感じます。
経験の深さよりも、きちんと辞めた理由を前向きに話して、転職をプラスとして捉えてもらえるかを意識すると良いかと思います。
『夜勤専従看護師の働き方と転職事情』のまとめ
- 夜勤専従看護師のメリットは実働日数(勤務日数)が少ないく、高収入であることが多い
- また短期、期間限定で働きやすい、人間関係に気を使わなくてよい等のメリットがある
- 夜勤専従看護師のデメリットは体調管理が難しく、出世できない可能性が高い
- 夜勤専従看護師の正社員の求人は少ないので、看護師転職サイトを利用することがおすすめ
- 夜勤専従の職場で多い一般病棟、療養型病院、介護施設の中では了承病院がおすすめ
- 夜勤専従看護師の求人探しのポイントは夜勤手当の金額、夜勤の回数、休憩時間、夜勤の体制である