薬局勤務の薬剤師で大変な仕事とは?
薬局勤務の薬剤師にとって大変な仕事、業務についてまとめました。
患者さんとのコミュニケーション
薬剤師は薬局勤務で、主に患者さんとのやり取りが苦労の原因となるようです。例えば、アンケートの記入や質問に対する答えがあいまいだったりウソだったりというケースが非常に多いようです。薬を処方してもらうにあたり、今飲んでいる薬があるか、併用できるかどうかはとても大切です。
初めて行く薬局ではアンケートを記入し、今の自分の薬を服用している環境などについて簡単に記入します。しかし、これが人によっては面倒で、書かなかったり適当に記入するため正しい調剤や服薬指導の妨げになります。「現在服用している薬:なし」と記入する・返答するにもかかわらず、最終的に確認すると実は幾つか飲んでいるということもままあります。しかもそのようにしたのは面倒で大して重要ではないと思っているからというケースも。薬の飲み合わせは、場合によっては重大な健康被害につながりかねない大切な確認事項です。
調剤薬局での薬剤師は患者に対して踏み込みすぎると嫌がられる(体験談)
薬剤師の職場は調剤薬局や病院、ドラッグストアなど複数存在しますが、病院に通院している方が処方薬を受け取るケースが多い場所が、調剤薬局だと思います。
調剤薬局での薬剤師の仕事は、患者が医師から処方された薬を提供すること以外にも、服薬管理や服薬指導を行うことも含まれます。しかし、薬剤師が熱心に患者に対して、踏み込んで服薬管理や服薬指導を行うと、患者から嫌われてしまい、別の調剤薬局へ行ってしまわれてしまうケースもあり、その点が悩ましいところです。調剤薬局は民間企業ですから、患者さんはお客様でもあるためです。
例えば、神経内科に通院している患者さんが、主治医から処方箋をもらい、調剤薬局にやってきます。その処方箋には、うつ病に関する薬が1ヶ月に出せる限界の量が毎回書かれているのです。ところが、その患者さんは毎月くるわけではなく、2ヶ月に1回の頻度でやってきます。そこで薬剤師としては念のため「この処方どおりに服用しているんですか?」と尋ねると、案の定、実際の服用は処方箋に書かれた内容とは異なるのです。
そして、患者さんに「実際は毎日どのような頻度で薬を服用するのですか」と尋ねるのですが、その時点で患者さんが面倒くさそうな表情をしているのがわかるのです。そこで、さらに服薬管理の使命感から徹底的に服薬指導をしようとすると、たいていの患者さんは二度と来てくれなくなります。
一方、途中で質問を切り上げて「気分が悪くなるようでしたら、主治医の先生のところにすぐに話してみて下さい」と言って話を締めると、その患者さんはまた次の診察のあとも来てくれます。
商売上は患者さんに毎回来てほしいですし、薬剤師の服薬管理の観点からはもっと踏み込んで指導すべきと思う患者さんもおり、この点が調剤薬局の薬剤師の悩ましい立場です。
おくすり手帳をめぐる戦い
もう一つ薬剤師にとってストレスの原因となるのは「おくすり手帳」です。おくすり(漢字表記も同じ)手帳は、今まで服用してきた薬の種類と量、現在服用している薬のデータを記録した手帳です。これがあれば服薬に関する治療の引継ぎが簡単に行えるうえ、患者さん自身も自分の投薬治療の履歴を見ることが可能になります。
これが2016年の調剤報酬改定により、一部の薬局に限られるもののおくすり手帳を持参した場合は薬剤服用歴管理指導料が低くなるように設定されました。つまり薬が安くなるということです。しかしこれによりおくすり手帳の作成や持参を強要されていると感じる人がいるようで、おくすり手帳を持ってこないと高くなることに腹を立てる人や、その理由を苛立たしく尋ねる人が増えたと聞かれます。こうしたしわ寄せが薬剤師にいくのは残念なことです。
調剤業務のプレッシャー
薬剤師の仕事は基本的には調剤です。これによりある人は「薬を棚から探すだけの簡単な仕事で高い給料もらって、薬剤師は簡単な仕事で苦労しない」と思っている節が見られますが、薬剤師はミスの許されない神経を使う仕事です。これを理解してもらえず嫌味などを言われた日にはかなり辛いという薬剤師は少なくありません。
正確さ命の調剤に加え監査や服薬指導、薬歴記入などの仕事にも失敗が許されない、ストレスの多い仕事でもあります。以上のような業務への理解の不足や乱暴な発言は、多くの薬剤師が一度は経験する仕事上でのストレスです。薬局は薬剤師の本領ですが、楽しいことばかりではないのが現実です。