薬剤師の転職活動で初めにすべきことは?
調剤薬局、病院・クリニック、ドラッグストア、一般企業などで薬剤師としての経験を積み、
「スキルアップのために新たな職場で働いてみたい」
「より多くの収入を得るために転職したい」
などさまざま理由で転職を希望されます。
しかし、ただ「人間関係が嫌だから」、「労働環境が悪いから」、「給与が少ないから」などの理由だけで今の職場を辞めて、転職するだけでは、たとえ状況が多少改善されたところで、転職先で後悔する可能性が高いです。
したがって、転職するにあたって、まず自分の「志」を再確認するようにしましょう。
「自分は何を付加価値として世の中に還元するのか」
「自分は何のために働くのか」
「自分の今の時間をコミットしてやるべきことは何か」
(『「志」で社会を変革する 第1回「志」とは何か(東洋経済オンライン)』より引用)
志とは言いかえれば、人生の目的(ゴール)です。
目的が決まらなければ、目標(目的を達するための中間地点)も達成できません。
転職に成功することはあくまでも目標です。
「薬剤師として何をして世の中に貢献したいのか?」
をじっくり考えたうえで、次のステップに進むとよいでしょう。
転職活動に業界研究、自己分析はどこまで必要?
就職時に業界研究、自己分析をやったからこそ、現在の職場に就職されていることだと思います。
もちろん転職においても業界研究、自己分析はある程度必要です。
企業研究に関しては、以下の8項目をチェックしましょう。
- 企業理念・・・自分の志とマッチしているか?
- 経営状態・・・売り上げと利益が伸びているか?
- 企業風土・・・組織と社員の価値観と自分の価値観がマッチしているか?
- 組織体制・・・公正公平かつ社会の変化に対応しているか?
- 労働環境・・・働き方、休日、福利厚生、勤務地が希望通りか?
- 成長機会・・・勉強会や研修、キャリアップの機会があるか?
- 人材設備・・・魅力的な人材、情報・設備が整っているか?
- 評価制度・・・収入、手当、昇給・昇格など納得できる評価制度があるか?
転職の場合、転職する理由を書きだしたうえで、実際にどんな仕事をしたいのか、どういった職場で働きたいのかを深堀りしていく必要があります。
自分の今までの経歴、キャリアを書き出し、評価されたことはどんなことだったか、逆に失敗したことはどんなことだったか、具体的なエピソードを書き出し、明確化することが大切です。
そうすることでキャリアを経ることで薬学生時代と比べると、より深く自分の考え、行動を客観視でき、自分の強み、弱みも分かってきます。
今後のキャリアプランを考えるうえでも非常に重要なことです。
薬剤師の転職の多い時期(タイミング)は?
薬剤師に限りませんが、求人数が増加する時期(季節)があります。
それが冬の2月、3月と夏の8月、9月です。
転職活動を始めるのは「冬のボーナス支給が終わってから、もしくは正月明け」、夏の場合は、「夏のボーナス支給後、もしくはお盆休み明けから」というのが一般的でしょう。
必ずしもこの時期、タイミングで転職しなければならないというわけではありませんが、条件の良い転職先には、当然のことながら、ライバルもいるわけですから、それなりのスケージュールと対策を練っておく必要があります。
「薬剤師の転職までにかかる平均期間」は、1ヵ月から3ヵ月ほどかかるというのが目安です。
もちろん転職の準備ができておりタイミングが合えば、最短3日~1週間で転職が決まるということもあり得るのですが、転職のためのタイムスケジュールをある程度決めておく必要があります。
実際の薬剤師の転職の流れは?
(転職サイト:面談、ヒアリング)
②情報収集・求人探し
(転職サイト:求人紹介)
③履歴書・職務経歴書作成
(転職サイト:書類添削・職場研究)
④書類選考・面接
(転職サイト:応募、面接対策(同行))
⑤内定
(現在の職場:退職準備・引継ぎ)
⑥入社
一例ですが、薬剤師転職サイトを利用した場合、上記のような流れになることが多いです。
①~③の準備期間に1週間~3週間
④・⑤の実際の転職活動に1週間~1ヵ月
⑤・⑥の内定から入社まで1~3か月
というのが一般的な転職活動期間と設定するとよいでしょう。
もちろん、「一日でも早く新しい職場で働きたい」といった場合は短く、「辞めてから長期休暇を取ってから働きたい」場合はもっと余裕を持ったスケジュールで構いません。
ただその場合、辞めるタイミングは退職日の1~3ヵ月前というのが一般的であり、少なくとも2ヵ月前には、上司に伝えておくことが望ましいです。
一刻も早く転職したい場合は、注意しましょう。