看護師の転職時の志望動機の書き方
転職時に履歴書や面接で志望動機は必ず必要になります。
看護師の転職時の志望動機はどのように書けばよいのでしょうか?
看護師の志望動機の書き方、手順をまとめました。
【看護師の転職時の志望動機の書き方】(簡単解説動画)
志望動機は採用担当者へ想いを伝えることが大切
採用担当者は履歴書の志望動機欄を見る時、
「なぜ数多くの医療機関がある中で当院に応募してきたのか?」
「応募者が実際に働くことになったとしたら、どのような貢献ができるのだろうか?」
といった見方をします。
志望動機はあなたが「なぜこの病院・施設に入りたいのか」といった熱意を採用担当者(面接官)に伝えるものです。
もちろんただ単に熱く語るだけではなく、しっかりとした理由・根拠が必要になります。
自己分析とこれまでの経験で培ってきた看護観を踏まえたうえで、熱意を感じられる志望動機を考えましょう。
志望動機のまとめ方
①応募先(入職先)の情報収集
まずは応募先(入職先)の情報を収集しましょう。
上述の情報は、医療施設のホームページの他、病院説明会・見学会、インターネット上の口コミ、看護師転職サイトに登録している場合は、担当のキャリアアドバイザーなどから得ることができます。
②志望動機を考える
1.応募先(入職先)の特徴(強み)を一つ取り出す
2.応募先(入職先)の特徴(強み)に対して、あなたの経験や価値観がどのように活かせるかを考える
3.あなたの経験や価値観を具体例で示す
4.入職した後に何をしたいのかをまとめる
目的別の志望動機の考え方
1.あなたの看護師としての考えや想い、経験してきたこと、目指すゴールをまとめる
2.応募する職場(入職先)の何があなたを惹きつけたのか
3.応募する職場(入職先)であなたが何をできるのか
◇キャリアアップするうえのあなたの想いや考えと応募先の特徴をうまく結びつけて、志望動機を考えます。
1.応募する医療施設を調べる
2.応募する医療施設の理念・運営方針・看護観を確認する
3.2の中で共感する部分をまとめる
◇待遇が良いからというのではなく、共感できる部分を中心に志望動機をまとめます。
③志望動機の見直し
言い過ぎていないか、他の病院、施設でもよい志望動機になっていないかをチェックします。
・入職先を褒めたたえるだけになっていないか
・入職先の説明だけになっていないか
・実際に入職した時のことをしっかりと書いているか
転職に成功した看護師の志望動機
実際に転職に成功した看護師さんの志望動機と自己PRです。
内科病棟を志望した動機
(Mさん、20代後半・女性)
総合病院(消化器外科、3交替勤務) → 小規模病院(内科病棟、3交替勤務)に転職しました。
【簡単な自己紹介】
専門学校3年課程を卒業後正看護師の国家資格に合格し、総合病院に就職し8年目の看護師です。
転職は4年目の際に、当時お付き合いしていた方と結婚したので、引っ越すために転職を考えました。
転職サイトを利用して事前に引っ越し先の近くの病院を探し、面接を受けて無事内定を頂きました。
【志望動機の参考にしたエピソード】
看護師として4年働いてる時、働いていた病院が固定チームナーシングを実施していたので、チームリーダーやプリセプターとして様々な役割を担いながら働いてきました。
消化器病棟で手術前や手術後のケア、ターミナル期の患者様と関わる機会があり急性期から慢性期、ターミナル期まで幅広く経験させて頂きました。
次の転職する職場でもその知識を活かして働く事ができると思います。
今までは外科病棟で勤務していたため、内科病棟でも経験を積みたく内科病棟を志望したいと思いました。
【自己PR】
就職後、看護師として4年働き消化器外科で急性期から慢性期、ターミナル期と幅広い患者様と関わり学んできました。
また、チームリーダーやプリセプターとしての経験もあり、その中で学んだ事を次の職場でも活かしていきたいと考えています。
3交替を経験してきており、体調を崩す事なく出勤していたため体力にも自信があります。
卒業後入職してから、消化器外科で4年働きました。
外科で働き、今度は内科病棟で働いて学びたいという想いがあり、今回志望させて頂きました。
御病院は地域住民の方々と密に関わっており、退院後も地域の病院や訪問看護、施設などとも連携を測って患者様のサポートを行っているため、そのような点も今後のスキルアップとして学んでいきたいと考えております。
総合病院の急性期病棟から開業医の外来勤務に転職した時の志望動機
(Yさん、20代前半・女性)
総合病院(二交代) → 日勤のみの開業医の外来勤務に転職しました。
【簡単な自己紹介】
総合病院の急性期病棟(主な対象疾患は乳がんと消化器系)に勤務していました。
新卒だった私は古い病院のベテラン看護師との人間関係に悩み、加えて残業の多いことから転職することを決めました。
現在は地域の心療内科の看護師として、勤務しております。
学生の頃から患者さんの個別性を意識した深い関わりをすることができる、精神科看護に興味があったことと、開業医は残業があったとしても、19時~20時までとある程度の目安があります。
急性期病棟となると、緊急入院の受け入れてなどで残業の時間もイレギュラーなため、転職を決断する大きなポイントでした。
【志望動機の参考にしたエピソード】
学生の時の看護体験。
学生時代に受け持った患者さんとの体験が私の今の看護観に影響しています。
当時その患者さんは、同乗していた事故で配偶者を無くされ、それがきっかけで精神的な病気を患われました。
そして鮮明であった辛い経験談を初対面である私に話してくださいました。
それまでの細かい内容はスタッフ看護師も知らなかったようです。
私は傾聴することしかできませんでしたが、患者さんは涙を流してくださいました。
以上の経験から、看護師としてできることとは技術的なことだけでなく、患者さんの思いに寄り添うことも大切になるのだと感じました。
心療内科にいらっしゃる方は短い診察時間の中で、急性期、慢性期、回復期に応じた対応の違いも考えなければいけないので、難しさとやりがいが大きいと考えています。
その中で私の看護師としての経験を深めていけたらと思っています。
大学病院から地元の介護施設へ転職した時の志望動機
(Gさん、30代前半・女性)
大学病院から地元の施設へ転職しました。
【簡単な自己紹介】
大学病院では10年勤めてまいりました。
経験した部署はICU、CCU、脳神経外科と神経内科混合病棟、脳神経外科外来、手術室、麻酔科外来です。
また、直近の1年間では術後回診チーム、周術期ケア外来といった新しいチームや部署の立ち上げに関わることができました。
転職理由は、家族の介護のため実家に帰省することとなり、地元の施設でパート看護師として応募し、転職いたしました。
【志望動機の参考にしたエピソード】
病院勤務から施設への転職であったため、今まで経験したことのない分野であり、また、知人紹介のため、自分で探したわけではなく志望動機を考えるのに時間がかかりました。
病棟経験から高齢者医療や在宅医療、地域密着の医療に関しては興味があったので、そのあたりで志望動機を膨らませました。
【自己PR】
私はこれまで大学病院では上記のような経験をしてまいりました。
病棟では、脳神経外科と神経内科の混合病棟であったため、高齢者が多く、また寝たきりとなる患者様が非常に多くいらっしゃいました。
必要な医療、看護技術は多く、沢山の経験を積むことができました。
施設で必要となる看護技術は学んで参りましたが、経験したことのないことや分からないことがあれば、すぐに情報収集や確認をいたしますのでご指導下さい。
病棟経験より、在宅や施設へ病院から変わる患者様が多くいた中で、非常に興味のある分野でありました。
病院とは違い、家としての生活を送って行く場所であるため、当事者の方々が快適に暮らせ、いかにQOLを下げることなく生活していけるように関わりたいと思っています。
地域密着の施設であるため、地元の方々に恩返しができるような関わりをしていきたいと考えております。
公立病院から有料老人ホームに転職した時の志望動機
(Rさん、30代前半・女性)
公立病院(急性期、三次救急受け入れあり、三交代) → 小規模有料老人ホーム(日勤パート)に転職しました。
【簡単な自己紹介】
公立病院の総合診療科病棟、泌尿器科病棟、整形外科病棟で8年間勤務しました。
一番長く働いたのは整形外科病棟です。
また院内のリスクマネジメント委員会に所属し、1年間委員として主に転倒転落予防について活動を行いました。
8年間の中で2度私自身が大病を患い、手術を受けたり検査で入院しました。
退院後は投薬治療を行っていますが、体力の限界を感じ転職を決意しました。
最初は看護師転職サイトを利用し転職エージェントに依頼しようと考えましたが、友人の看護師から転職サイトは田舎の転職には弱い傾向があると聞いたため利用しませんでした。
ハローワークの情報などインターネットでの情報収集とともに、同じ職場で辞職した方から話を聞いたり、ケアマネをやっている親戚から情報収集をして転職希望先を絞りました。
【志望動機の参考にしたエピソード】
インターネットで自分に当てはまりそうな志望動機の例を参考にして考えました。
また施設の見学に行きました。
【自己PR】
整形外科病棟での経験を生かして、異常の早期発見だけではなく移乗や移動、体位変換に介助の要る利用者様が安全安楽に過ごせるよう関わることができます。
急性期病院で働いていた際は、業務に流されている感じがあり患者様とゆっくり関わることが困難でした。
御施設ではスタッフの方が笑顔でゆったりと入居者様と関わっておられる姿が印象的であり、ぜひ私も一員となり入居者様とゆっくり関わりながら前職での経験を生かし看護師として仕事をしたいと思い志望致しました。
大学病院からクリニックに転職した時の志望動機
(MIKIさん、30代前半・女性)
大学病院の循環器内科で二交代→ 循環器のクリニックの二交代に転職しました。
【簡単な自己紹介】
新卒から大学病院に勤務しており、看護師9年目で転職しました。
循環器内科で6年、消化器外科で1年、あとは産休育休を2回取得し、ふたりの子どもを産んでからもフルタイムで働いていました。
特に子育てしているからと優遇されることもなく、委員会活動や勉強会、研修など、みんなと同じ仕事内容をこなしていました。
転職のきっかけは旦那の転勤です。
転職の結果としては、以前ほど忙しくなく、休みも多いため、プライベートや子育ての時間を大切にすることができるようになりました。
もちろん年収はかなり落ちました。
しかし、日々のストレスも軽減され、人間関係も良好であり、現状に満足しています。
【志望動機の参考にしたエピソード】
転職先も循環器のクリニックだったので、自分自身が6年間務めた循環器内科での経験を強みとした内容を書こうと思いました。
先方がわたしを原動力として採用したいと思っていただけるような内容を書くこと、でも過大評価しすぎたり、嘘は書いてはいけないな、と気をつけて考えました。
【自己PR】
看護師になり、循環器内科で主に心臓カテーテル検査、アブレーション、ペースメーカー埋め込み等に携わり、学んできました。
私の学びと経験を活かすことのできる病院で働きたいと思い、循環器内科を専門とした貴院を志望させていただきました。
看護師として働いていく中で、沢山の失敗や悔しい思いをしてきました。
しかし日々自身を振り返り、経験を成長に繋げられるよう努力しています。
また、患者さん第一で物事を考えて行動しています。
看護師の転職時の志望動機の書き方のまとめ
- これまでどんな考えや想いで、どんなを経験し、どんなゴールを目指すのかを書く
- なぜこの医療施設(入職先)に応募したのか、その魅力を書く
- もし入職したら何をしたいのか、何ができるのかを書く
急性期、慢性期、回復期、介護期などの区分
医療機器、設備など
・病院・施設の考え方・行動指針
組織や看護部の理念、運営方針、看護観
・キャリア支援・待遇
教育体制、キャリアラダー制度、福利厚生など働きやすさ