ナースセンター(eナースセンター)の転職活用法
ナースセンターは無料職業紹介事業を営んでおり、特にブランクのある看護師さんの復職や経験の少ない看護師さんの転職活動時の利用に向いています。
ナースセンターのこと、ナースセンターを利用するメリットやデメリット、利用者の口コミ、評判を知った上で、活用することをお勧めします。
ナースセンターとは
【ナースセンター(eナースセンター)の転職活用法動画】
ナースセンターは看護職(看護師・准看護師・保健師・助産師)に関する様々な事業を行っており、看護職の教育制度、労働環境整備、看護政策の展開や活動・推進を行う公益の職能団体です。
ナースセンターには、公益法人日本看護協会が運営している中央ナースセンターと都道府県看護協会が運営する都道府県ナースセンターがあります。
『転職』に関する事業だけを説明しますと、ナースセンターは、各都道府県ナースセンターの行う無料職業紹介、『ナースバンク事業(都道府県ナースセンター)』とそれをインターネット上で行う『eナースセンター』に分けることが可能です。
ナースセンターの呼び方は、いくつかあります。
東京や福岡では「ナースプラザ」、その他、人や地域によって「ナースバンク」と呼ぶことがあります。
をご覧ください。
ナースセンターの特徴と利用するメリット・デメリットと就業実績
ナースセンターを利用するメリットとデメリットをまとめました。
- 窓口で求人を紹介をして貰える
- 元看護職の職員に相談ができる
- 病院や施設のパンフレットの閲覧が可能
- eナースセンターで自宅に居ながら求人の閲覧が可能
- 再就業・復職支援研修(有料)を開催している
- ナースセンターに行く手間がかかる
- 営業時間が短い(平日の夕方早くに閉まる)
- 求人紹介に時間がかかる(数日~一週間程度)
もちろんナースセンターならではの求人もあります。
登録後は、勤務地や待遇など条件に合う求人情報を簡単に検索できるようになり、希望に合った求人を自動マッチングし、メールで新しい求人情報が届くようになります。
復職支援研修を行っていますので、ブランクが長い看護師さんや経験の少ない新人看護師さんにとっては、利用価値があるといえるでしょう。
しかし、ナースセンターは各都道府県に1つはあるものの営業時間が短く(各都道府県ナースセンターによって異なる)、住む地域によっては通うのに時間がかかってしまいます。
また求人を見つけてから、紹介されるまでにも時間が必要です。
以上のようなメリット、デメリットを考慮して、ナースセンターを活用しましょう。
eナースセンターのコンテンツ内容は?
eナースセンターには、主に以下のコンテンツがあります。
・特設求人情報・・・被災地、離島・へき地の求人情報や多様な働き方に対応する求人
・各都道府県の求人情報
・看護師の届出サイト「とどけるん」
・ナースストリート・・・多様なキャリアと働き方が分かる
・お知らせ
ナースセンター(ナースバンクの就業実績)
年代によって、就職先・転職先施設が異なります。
2018年のeナースセンターに登録した看護師の転職した医療機関・介護施設の割合のベスト5(※1)です。
ナースセンター(ナースバンク)の年代別就業先
(【参考資料】TOKYOナースプラザ やっぱり看護が好き VoL.70を元に作成)
【20代】
①病院(200~499床) | 27.7% |
②病院(200床未満) | 18.8% |
③診療所・クリニック | 13.3% |
④会社・事業所 | 8.8% |
⑤訪問看護ステーション | 8.3% |
【30代】
①診療所・クリニック | 25.7% |
②病院(200~499床) | 17.5% |
③病院(200床未満) | 14.7% |
④訪問看護ステーション | 8.5% |
⑤会社・事業所 | 5.1% |
【40代】
①診療所・クリニック | 22.3% |
②病院(200床未満) | 14.2% |
③訪問看護ステーション | 9.3% |
④病院(200~499床) | 9.1% |
⑤会社・事業所 | 7% |
【50代】
①診療所・クリニック | 13.3% |
②病院(200床未満) | 12.7% |
③病院(200~499床) | 9% |
④デイサービス・デイケア | 7.3% |
⑤訪問看護ステーション | 6.7% |
【60代】
①デイサービス・デイケア | 12.8% |
②診療所・クリニック | 12.1% |
③病院(200床未満) | 9.5% |
④その他 | 8.1% |
⑤会社・事業所 | 7.4% |
20代では看護師としての経験を積める病院、30代・40代では夜勤の少ない職場ということで診療所・クリニックが人気になります。
50代では働き方が多様になり、60代では年代に応じた働き方を選択している方が多くなっています。
このようなライフステージによる働き方の違い、傾向はナースセンター以外での転職でも見ることが可能です。
ナースのはたらくサポートブック(公益社団法人日本看護協会・中央ナースセンター)
都道府県ナースセンターの連絡先
各都道府県のナースセンターでは、不定期的に「ナースバンク就職相談会」を開催しています。
例えば、医療・介護施設のパンフレットなどの資料を置いたコーナー、面談受付コーナー、面談ブースなどが設けてあり、実際に情報収集、見学、面接などができる場として無料で利用可能です。
もし時間に余裕があれば、各都道府県のナースセンターに問い合わせるか、ホームページから開催日を確認して、参加してみるのもよいでしょう。
↓
ナースセンター(eナースセンター含む)の評判、口コミ体験談
実際に「ナースセンターを利用、活用した看護師さんの感想、評判、口コミ」(※2)です。
【評価◎:10点/10点中】
ナースセンターは各地域の求人、求人の質が良い
ナースセンター利用での転職:〇
大学卒業から16年、看護師として主に総合病院で働いてきました。
内科系外科系ともに配属された経験あり、ジェネラルな看護師だと自分では感じています。
夫の転勤に合わせて、今まで5回の転職経験あります。
今回は初めて、ナースセンターを介して転職しました。
インターネットで簡単に登録できて、希望する求人をスムーズに検討できて良かったです。
登録の簡単さは、他のナース就職や転職支援サイトと同じようなメリットだと感じましたけれど、ナースセンターは、各地域にたくさんの求人あることや、求人の質の点から、他のナース就職や転職支援サイトよりも強みだと感じました。
また、災害ナースなど今のニーズに合わせた、求人を検討できるところも良かったです。
看護師として、ますます役割期待される時代のなかで、自分なりにキャリアデザインをしっかりしながら、ナースセンターを活用した転職をすると良いのではないかと感じています。
ハローワークに比べると求人情報が多いナースセンター
ナースセンター利用での転職:×
総合病院では、病棟と外来どちらも経験しました。病棟では、内科・婦人科・皮膚科・形成外科の経験をし、外来では様々な診療科を経験しました。
老人保健施設では、入居者の看護業務を担当していました。
現在は家族の介護のため、在宅ワークをしています。
平日の昼間のみ勤務できるところを探していますが、無いのが現状です。
ナースセンターは、自分の勤務希望について細かくチェックをして、登録します。
自分の希望に当てはまる求人があると、電話にて連絡を下さいます。
登録をすると、定期的に求人情報がメールにて配信されます。
しかし、毎回ほとんど同じところからの求人情報で、変化はありません。
しかし、ハローワークに比べると求人情報は、多くあります。
病院以外のところで働く希望がある場合は、求人情報を入手しやすいです。
求人情報だけでなく、就職するための研修を受ける情報も得ることが出来ます。
就職活動時は、ナースセンターに登録して、情報を入手するのも良いと思います。
通勤圏内の求人が見つからなかった
ナースセンター利用での転職:×
4年目になります。
それまで大学病院で13年間病棟勤務をしました。
間で2回産休、育休をとったので経験年数としては12年になります。
現在は外科系の病棟勤務です。
ナースセンターを利用して職探しをしましたが、県外の方が担当されるので交通事情などが分からず、なかなか自分の思う通勤時間で通えるところが見つかりませんでした。
地図上では30分圏内の通勤距離ですが、実際はラッシュ時だと1時間半かかるところもあるので、時間のかかることを伝えるのは難しかったです。
結局徒歩圏内で通えるところが30分圏内で行けるところということで探していただきましたがなかなか見つかりませんでした。
いろんな募集を取り扱っているので紹介していただけるところは助かりました。
選択肢が増えるのでまたそこから自分で気になる病院や施設を見つけて相談することもできたので良かったです。
気になるところがあれば積極的に確認して候補を増やすことは大事かなと思いました。
復職時のナースセンター利用について
ナースセンター利用での転職:〇
看護師10年目、急性期からターミナルまで幅広く勤務、内科、産婦人科、小児科、NICU、外科の経験あり。
現在は2児の母親、ワーママとして復帰を検討し現在就職活動中。
【利用した感想】
LINEのやりとりが可能であったため、やりとりがスピーディーでよかった。
また、履歴書の書き方や志望動機もアドバイスがあり、面接にも同行していただけたのでとても助かった。
大体どの方も担当の方は良い方であると思うし、通勤距離や幼稚園の距離を考慮してしっかりと転職先を考えてくれた。
【メリット・デメリット】
自分で病院に電話しなくても、雇用条件を提示してくれた上で面接が可能か、また募集がない病院にも連絡してくれたりと子育て中の時間がない中でもとても親身に動いてくださる点が良い。
デメリットとしては、雇用契約が結ばれると病院からナースセンターへ報酬が支払われるが、それが高額であるためナースセンターを利用し面接をすると落とされる可能性がある。
実際に、ナースセンターにはお断りをしておくので、ハローワークから面接にきてくれないかと直接言われたこともある。
【これから利用する人へのアドバイス】
自分の譲れない雇用条件を明確にすること。
家庭があるひとは、家族としっかり相談しておくこと。
病院のナース口コミサイトがあり(ナスコミ)これはリアルな情報が多く大変参考になるため、見ておくと良い。あとは、見学を必ずして、自分の主観を大切にその病院で働けるかを見分けること。
雰囲気が悪いところは見学でも大体わかる、不安があれば担当者にしっかり伝えれば、しっかりレスポンスをくれるので納得いくまで話し合う。
特に子育てママの転職は、慣れるまでの両立が本当に大変なため、しっかり家族で話し合いをしてほしい。
ナースセンター主催の復職セミナーはおすすめです
ナースセンター利用での転職:〇
上の子供を出産後、8年くらいブランクがあったのでナースセンター主催の復職セミナーに参加しました。
その時、採血や、注射、心電図、経管栄養、感染対策などの看護技術を体験し、感覚を思い出しました。
またその後、コーヒーやお菓子を食べながら同じくブランクのある方たちと話したり、ナースセンターの方に今後の進路についての悩みとかを相談できたりして復職に対しモチベーションが上がったのが良かったです。
復職に対し緊張していたわたしを後押してくださり、ナースセンターで募集していた病院や施設の情報をみながら気になった病院に電話してみました。
1つ目は常勤が欲しいと断られたけど、2つ目は週3日のパートでも良いと歓迎してくれすぐに面接、働くことになりました。
センターの方に報告すると、どうなってたか気になってたと話してくれ喜んでくれました。
今慢性期の内科病棟でパートとして3年勤めてますが、センターの方に後押ししてもらったおかげかなと思ってます。
センターに難点があるとすれば家から遠いところかなと。
これからナースセンターを利用する方へ、ただ仕事を探す場所としてだけじゃなく、自分の状況に応じて、復職セミナーを利用したり、相談できる場所としても考えると良いかも知れません。
頑張って欲しいと思います。
eナースセンターの登録方法と利用の流れ
【登録条件】
・看護職(看護師・准看護師・保健師・助産師)の方
・看護師等養成所を卒業見込みの看護学生の方
・就職先をお探しの方
・eナースセンターのご利用基本条件に同意された方
①登録
eナースセンターからの登録
もしくは
求人登録票に記入(来所・郵送・FAX)
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②求人検索
eナースセンターで自宅から求人情報を検索可能
もしくは
ナースセンターの求人カードで求人情報を閲覧
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③相談
希望条件に合った病院、施設を一緒に探します
(電話・メール相談も可)
↓
④紹介依頼
希望する応募先が決まれば、ナースセンターに連絡
eナースセンターの場合、「紹介依頼」ボタンから受付
(電話・メールでの受付も可)
施設見学希望も受付可
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⑤紹介
面接日時・施設見学日を調整
ナースセンターから紹介状発行
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⑥面接
労働条件を確認要
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⑦就職決定
面接の結果はナースセンターに連絡
登録の内容変更、退会の方法
登録情報の変更、退会の申出の連絡は、本サービスの登録を行った都道府県ナースセンターに対して行う。
退会の意思は、電話、FAX、メールまたは郵便等のうちナースセンターが選択したもので伝えます。
登録したナースセンターが分からない場合は、中央ナースセンターに連絡してください。
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ナースセンターのまとめ
ナースセンターは看護師などの届け出窓口となり、求職相談、求人相談、復職支援講習会、看護職員・看護学生の心の相談、就職説明会・面接会、看護職のワーク・ライフ・バランスの推進などの事業を行っています。
- ナースセンターは各都道府県の「ナースセンター」とネット上の「eナースセンター」の2つがある
- ナースセンター独自の求人がある
- 元看護師の職員に相談できる安心感がある
- 再就業・復職支援研修があるので、ブランクありや経験の浅い看護師の利用価値がある
- 営業時間は短かく、求人紹介に時間がかかるので利用するのに時間的余裕が必要
※1『東京都ナースプラザ』参照
※2『ナースセンターを利用、活用した看護師さんの感想、評判、口コミ』
(調査対象:看護職の方、調査期間:2020/1/25~1/27、WEBアンケート調査、自社調べ)
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