看護師の転職の悩みに対する回答
看護師の転職についての悩みはつきませんが、看護師をはじめ医療・介護系の人材コンサルタント会社に勤めている関係上、看護師の転職に関する悩みを聞く機会は非常に多いです。
看護師の転職に関する悩みはその時期によって、3つに分類することができます。
- 転職前:転職すべきかどうか
- 転職活動中:転職活動の方法ついて分からない
- 転職後:新しい職場に合わない
こうした転職の悩みは近くに打ち明けられる相手が少ないことで、抱え込む傾向があります。
しかし、それぞれに悩みには、対処法・解決法がありますので、結論からおつたえします。
①転職前の悩み、転職すべきかどうか
に対しての回答は、「しっかりと自己分析しましょう。」です。
②転職活動中の悩み、転職活動の方法ついて分からない
に対しての回答は、「看護師転職サイトを活用しましょう。」です。
③転職後:新しい職場に合わない
に対しての回答は、「新しい職場の情報収集をしっかりしましょう。」です。
そんな簡単なことで解決できると思われる方は、具体的にどうすればよいのかを以下にお伝えしていきます。
看護師の転職の自己分析の方法
「転職するべきか、現状のまま職場に残るべきか」悩んでいる場合は、自己分析をしてみるとよいでしょう。
看護師さんの悩みで多いのは、仕事が多忙だったり、職場の人間関係がよくなかったり、給与や待遇への不満を訴える人が多いです。
「もうこれ以上は無理かも。転職した方がいいかな。」と悩んだ経験のある人は多いでしょう。
日本労働調査組合の「看護師の退職動機に関するアンケート」によると、退職を検討していると回答した看護師は60.6%でした。
しかし、勢いで転職を決めてしまった結果、自分と合わない職場で、再度転職をするというパターンに陥ってしまうと大変です。
もし短期間に転職を繰り返すと雇用者側に「すぐ辞めそうな人」というイメージをもたれ、転職回数が増えるごとに転職しにくくなってしまう可能性が出てきます。
したがって、あなたが転職すべきかどうかを判断するには、「自己分析」をオススメします。
手順は以下の通りです。
1.現在の職場での悩みや不満をすべて書き出す
職場でストレスを抱えている状態で悩み続けていると、冷静な判断ができなくなり、インシデントを起こしたり、体調を崩す原因になったりします。
そこで、以下のように悩んでいることを、紙に書き出してみるとよいでしょう。
- 残業が多くて、体力的に厳しい
- 患者さんとのコミュニケーションが十分にとれない
- 尊敬できる先輩がいなくて、将来が見えてこない
- 今と異なる診療科で働いてみたい
等々、まずは頭の中にあることを書き出すとよいです。
アウトプットすることで、頭の中が整理され、悩みが明確化するので、少しはスッキリした気持ちになれます。
2.あなたの理想とする職場環境を考える
次に、以下の項目について、あなたが理想とする職場の条件を考えていきます。
現実的かどうかは考えずに、まずは具体的に理想を書き出してみることが大切です。
自宅からの通勤時間や、働きたい場所です。
・勤務時間
日勤のみ、残業は少なめなど、良いと思う条件を書きましょう。
・収入
理想とする給料(金額)を書き出します。
・スキル
今後、看護師としてどんなスキルを伸ばしていきたいかを考えてみましょう。
・職場の雰囲気や設備
最先端の医療設備のある職場で忙しく働きたいのか、のんびりとしたアットホームな雰囲気でゆったりと働きたいか、などを考えてみましょう。
・自分がしたい看護
あなたが理想とする看護について、具体的に考えてみましょう。
ここまで書き出せたら、一旦現実に戻ります。
全てが揃う職場というのは、なかなか見つかりませんので、次に書き出した条件を、優先順位が高い順に並び変えます。
たとえば、勤務時間より収入の優先順位が高いといった具合です。
3.あなたの優先順位と現在の職場がマッチしているかチェックする
優先順位を整理したら、次に現在の職場の条件と照らし合わせてみましょう。
その結果、現在の職場が意外とあなたの優先順位に合っている場合もあります。
そのときは、すぐに転職せず、もう少し今の職場で働き続けたほうがよいかもしれません。
しかし、職場が明らかにあなたの優先順位と合っていない場合は、看護師転職ライブラリーでおすすめしている看護師専門の求人サイトなどの情報をチェックし、あなたの理想をなるべく満たす求人を探してみるとよいでしょう。
自己分析をした結果、転職することが自分にとってベストな選択だと思えたら、早速、転職活動を進めていきましょう。
看護師転職サイトの活用方法
転職活動中の悩みは、情報収集をすれば解消できることがほとんどです。
実際に一人で転職活動を進めていくと、転職活動の進め方がわからずになり、悩む人は多いようです。
しかし、ほとんどの転職活動の悩みは、転職活動の正しい手順やポイントを押さえることで解消できます。
たとえば、看護師転職ライブラリーでは、転職活動のポイントを解説しています。
また以下のようなステップに沿うとよいしょう。
求人の探し方や、求人探しの注意点を伝えています。
・応募書類の作成
転職活動の履歴書・職務経歴書の書き方、志望動機について述べています。
・面接
面接のマナーや、よくある質問、話し方のコツなどです。
・内定・退職交渉
内定をもらった後の流れや、現職への退職の申し出、引き止めにあった場合など転職サイトのキャリアアドバイザーに対処法を聞くとよいでしょう。
・入職準備
内定を受諾してから入職するまでの流れ、準備が必要な書類、保険の手続き、初出勤の心得は、こちらで確認できます。
こうした情報をチェックしながら、あなたが希望する施設に転職できるよう転職活動を進めていきましょう。
もし、あなたが有利に転職活動を進めていきたいなら、当サイト掲載の看護師専門の紹介会社に登録して、活用することをオススメします。
紹介会社を活用することで、求人の紹介や応募書類の添削、面接の対策まで、あなたの転職活動をバックアップしてもらうことが可能です。
転職後に後悔しないための3つのポイント
転職したてのときは、「新しいなかなか職場になじめない」という悩みをもつ看護師さんは多いです。
実際に転職活動を終え、無事に希望していた職場に転職できたとしても、全ての悩みがなくなるわけではありません。
特に転職の場合は、経験者採用ということもあり、即戦力として期待されることが多いです。
そのためプレッシャーから緊張感がとれないという人が多いようです。
最初は、新しい職場の人間関係にも慣れていないため、気疲れすることもあります。
しかし、人間関係に慣れて信頼関係が構築できてくれば、このような悩みは解消していきますので安心してください。
むしろ、「最初は緊張感があるくらいが普通なのだ」と考えておくと、少し気が楽になるかもしれません。
もしわからないことがあったら、積極的に質問していくとよいです。
そして、覚えた業務に対しては、自ら積極的に携わって慣れていきましょう。
ただ、どうしても職場の雰囲気になじめなかったり、考えていた労働条件と違っていた場合は、転職したことを後悔してしまうかもしれません。
そのような事態にならないするには、転職前に情報収集をしっかりとと行っておく必要があります。
転職後に後悔しないための情報収集の3つのポイントを参考にしてください。
- 求人情報を正しく見ること
- 病院・クリニック・施設や診療科による仕事内容の違いを理解すること
- 病院見学で職場の雰囲気を確認すること
【転職後に後悔しないためのポイント①】
求人情報の正しい見方を知る
転職した後に違いがあって最も困ることは、お給料や勤務時間(残業時間)、休日、勤務体制などの労働条件に関する齟齬です。
施設が求人募集をする場合、看護師求人サイトや応募予定のホームページなどに労働条件に関する情報を出していますので、以下の点をチェックしておきしましょう。
もし、詳しい情報が記載されていなかった場合は、内定を承諾する前に必ず確認をしておきましょう。
1.給与は必ず「基本給」の金額を確認すること
通常、給与欄の記載は「月給28万円以上」などと表記されていることが多いです。
しかし、この月給は「基本給+各種手当」の合算で表記されていることがあります。
したがって、必ず基本給の金額を確認するようにしましょう。
その理由として、賞与は月給ではなく、基本給を基準として算出している施設もあるからです。
たとえば、月給が28万円で、基本給が16万円、賞与が4ヶ月分だった場合、以下のように違いが生まれる可能性があります。
16万円(基本給)×4=64万円
48万円の違いはかなり大きいです。
2.平均残業時間、申し送りの時間、夜勤時の休憩時間をチェックすること
転職後に、勤務時間に関する不満が出るのは、以下3つの項目に関する認識の違いによることが多いです。
・平均残業時間
もし求人票などに「残業あり」としか書かれていない場合、残業時間の平均実績を確認しておきましょう。
・申し送りの時間は、勤務時間に含まれるか
病院勤務の場合はほぼシフト勤務なので、以下のような表記で書かれていることが多いです。
「シフト制/8:30~17:00、16:30~翌9:00」
この例の場合、日勤と夜勤の申し送りは、16:30~17:00の30分の間に行われている可能性が高いので、確認しておきましょう。
また注意したいのは、以下のように勤務を交代する時間が重なっていない場合です。
「シフト制/8:30~17:00、17:00~翌8:30」
このケースの場合、終業の時間が30分ほどズレたり、30分ほど早めに出勤しなくてはいけなかったりする可能性があります。
つまり申し送りが勤務時間以外に行われている可能性があるからです。
特に上記の表記の場合は、必ず申し送りの時間帯を確認しておく必要があります。
・夜勤時の休憩時間
夜勤時の休憩時間の実態や、休憩時間がとれなかった場合の扱いは確認しておくことが大切です。
本来の雇用側の義務として、労働者の労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合、1時間以上の休憩時間を付与しなければなりません。
もし急患や急変などで休憩時間をとれなかった場合は、時間外勤務手当を支給してもらう権利があります。
その場合にどのような対応をしているかを確認しておきましょう。
・年間休日の実績、有給の消化状況をチェックすること
シフト制の多い看護師の休日休暇の場合、休暇制度は「4週8休」等と表記してあることが多いです。
この表記を「週に2日休みがある、つまり完全週休2日制ってことだよね」と理解している人がいるかもしれません。
しかし、そうではなく「4週間のうち、8日休日がある」というのが、正確な見方です。
つまり、週の休みが1日のこともあれば、2日や3日の週もありえるので、毎週必ず2日休みがあるとは限りません。
休日の実態を知るために、年間休日の実績と有給休暇の消化状況を必ず聞いておきましょう。
もしそんな細かいことは聞きにくいということであれば、看護師転職サイトのキャリアアドバイザーから聞いてもらうのがおすすめです。
あなたが直接、病院、施設に質問しなくても、紹介会社が間に入って、細かい条件を確認してくれるからです。
これらの条件は、必ず内定を承諾する前にチェックしておきましょう。
【転職後に後悔しないためのポイント②】
病院・クリニック・施設や診療科による仕事内容の違いを理解すること
特に今までと病院の種類や診療科が変わる時は、転職後に「こんなはずじゃなかった」と思ってしまう可能性が高いです。
同じ看護師の仕事でも、勤務先の種別や診療科によって、忙しさや大変な点が異なります。
また医師との連携の仕方、患者さんとの関わり方も異なってきます。
そのため、未体験の施設や診療科に転職する場合は、あらかじめ勤務先ごとの特徴を理解しておくことが大切です。
あなたの看護学校時代の知人など、実際に働いている人に意見を聞いたり、情報収集するのがよいでしょう。
ちなみに、大手の看護師転職サイト、看護ルーやマイナビ看護師には、施設の種別、診療科ごとの違いを解説する記事が掲載されています。
もし気になる記事があれば、チェックしておきましょう。
【転職後に後悔しないためのポイント③】
病院見学で職場の雰囲気を確認すること
転職後に後悔する原因として多いのは、人間関係や職場の雰囲気が合わないことです。
確かに入職してみないとわからないことがあるのも事実ですが、雰囲気の悪い職場はよく観察すれば入職前に気づけることも多いです。
面接時以外にも実際に病院見学(職場)に行って、看護師や患者さんの様子をしばらく観察していると雰囲気が分かってくると思います。
ナイチンゲールの名言、「経験をもたらすのは観察だけなのである。」は転職活動時にも有効です。
ぜひ内定を承諾する前にチェックしておきましょう。
看護師の転職の悩みを解決する転職活動の方法のまとめ
- 転職すべきかどうかの悩みは自己分析をすることで解消できる
- 転職活動中の悩みは、転職活動の正しい手順やポイントを知ることで解消できる
- 転職後に後悔しないために求人情報、仕事内容を理解し、病院見学をすることが大切である