近年、企業からだけでなく社会全体からの需要が高まっている産業医が注目されています。この産業医になるためにはそれに必要な資格と研修があります。産業医とは何でしょうか?産業医にはどのようになれるのか、またその年収など産業医という職業について詳しくみてみましょう。
産業医とは?
産業医とは、労働者数が50人以上の事業場で、労働者の健康管理(助言・指導)を行う医師のことです。労働安全衛生法第13条で義務付けられているため、企業からの需要が近年高まっています。産業医の主な仕事は労働省の健康診断や管理に加え、健康相談、衛生教育、現場における健康障害の原因調査、職場の巡視、求職面談、復職面談、ストレスチェック実施などがあります。基本的に事業場への勤務となるので、その企業に勤める社員と同じ勤務形態で勤務することになります。しかし、残業が発生するようなことないので、ほぼ定時で帰宅することが可能です。
産業医になるために方法とは?
では、どのように産業医になれるのでしょうか?産業医になるには医師であることに加え、いずれかの要件を満たしている必要があります。その資格とは①日本医師会の産業医学基礎研修の過程を修了している。②産業医科大学の産業医学基本講座の過程を修了している。③産業医学大学で過程を修了し、大学が実施している実習を履修している。④労働衛生コンサルタントの資格に合格している。⑤大学で労働衛生の科目を担当している教授・准教授・常勤講師、または経験者、の5つの中のひとつが該当すれば、産業医になることが可能です。現在、日本には約9万人の産業医がいます。
産業医の年収はどのくらい?
勤務医の場合、働いている病院の規模や役職も影響しますが平均年収は約1,500万円程度と言われています。しかし、まだ若く経験が浅い勤務医なら年収600万円弱から、高齢の医師になると2,000万円以上と幅広い年収となっています。では、産業医の場合はどうでしょうか?産業医の場合、委託契約か専属契約かにより年収が大幅に変わってきます。
委託契約の場合、週に1~2回の勤務で1回3万円前後と言われています。つまり、1週間に2回×1回3万円で計算すると、年収は約300万円前後となります。しかし、産業医でも経験を積み、専属となっていると勤務医同様の給与が払われるケースもあります。また、大手企業の専属医なら、年収は1,500万円前後になるとも言われています。退職金は各企業によって異なりますが、勤務医同様、高収入の職業と言えるでしょう。